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●最後はクリアコート

今回はクリアコートします。これが最後の仕上げです。
外装に透明色のクリア層を作る事により、塗膜やデカール(転写型、スライド型共に)を保護することができます。これを吹かずに模型を触ったり動かしたりしていると、外装がこすれて塗装が剥げてしまうことがあります。
とはいってもいくら上にコートしても剥げにくくなるというだけで、剥げる物は剥げます。
全塗装した模型はあまり動かさないのが無難。ガシガシ動かしたり変形させて遊ぶなら未塗装かあるいは簡単フィニッシュ止まりが良いと思います。

トップコートを吹くもう1つの意味は「ツヤの統一」です。
塗り分けやグラデーション塗装によってそれぞれの箇所でツヤの程度がバラバラになってしまいますが、最後に上からまとめてクリアでコートする事により、均一の表面、均一のツヤを出す事ができます。


●クリアコートの種類

ここでは「仕上げに吹く透明塗料」を「クリアコート」という名称でまとめてしまいましたが、水性とラッカーといった種類があります。。

水性トップコート

ご覧の缶スプレーです。「光沢」「半光沢」「つや消し」の3種出ております。
これはラッカー塗料ではなく、水性アクリル塗料です。薄める際にはアクリルシンナーを使います。(塗料の種類についてはこちら
ちなみに私はこの水性アクリルのクリアーはほとんど使いません。
写真は缶スプレーですが、瓶の水性アクリルのクリアはタミヤ、クレオスの両者から出ております。

Mr.スーパークリアー

こちらはラッカー塗料です。缶スプレーは「光沢」「半光沢」「つや消し」の3種。(写真では1種しかないけど)

スーパークリアーの瓶バージョン

上記の「Mr.スーパークリアー」の瓶詰めバージョンです。Mr.カラーの155番、181番、182番がそれぞれ「光沢」「半光沢」「つや消し」となっております。
缶に対し、こちらの瓶は濃度調節も吹きつけ圧もブラシで自由に調節できるので、エアブラシを持っている人はこちらを使う事をオススメします。

スーパークリアーII

 Mr.カラーの184番、大瓶の光沢クリアーです。155番スーパークリアー(光沢)に対して塗膜が頑丈になったため、デカール研ぎ出しに向いているそうです。実際使ってみたけど…う〜ん、実は細かい違いは良くわからん。まぁこちらが後から出たやつだし、色々と改良されてるのは間違いないでしょう。
(補足:後にこのスーパークリアーIIは絶版になり、スーパークリアーIIIが発売されました。)

その他のクリアコートについてはこちら


●注意点

エアブラシでスーパークリアー(つや消し)を吹くのですが、注意したいのはとりあえず「白くかぶらせないこと」「デカールを痛めないこと」の2点です。

かぶらせないためには、とにかく雨の日に吹くのは避けましょう。また、黒く塗った(黒はかぶりがみつけやすい)プラ板かいらないパーツをテストピースとして用意し、試し吹きしてからやるのがおすすめです。かぶりについてはかぶりのしくみかぶり修復法あたりを参照。

下地やデカールを痛めない為にはとにかく薄吹きすれば大丈夫です。まぁクリアー塗料というのは要するにただの色の付いてない塗料なので、赤や青と同じです。普通に適当に吹けばよいでしょう。


●よくある質問

既に書いたことを繰り返すようですが、トップコートに関するよくある質問。

・クリアコートはスミ入れの後にやるべき?前にやるべき?
つや消しコートをスミ入れ前にやると、スミ入れ時の拭き取りとデカール貼りがうまくいかないので後にやります。ツヤ有りコートでもデカール保護の為に最後に吹いた方が良いです。
逆にスミ入れ…というかウェザリング、ウォッシングであえて滲ませたい場合は先につや消しを拭いてザラザラ表面を作り、塗料を定着させやすくします。

・エナメル塗料やデカールの上にラッカーは駄目だと聞いたけど?
厳密には駄目なんだろうけど、別に駄目じゃないよ。なんとかなるよ。実際にやって確かめてみろよ。

・ところでなんでつやを消すの?
スケール感を考えると、つやを消した方が巨大なものに見えるらしいっす。確かに18cmのおもちゃと18mのロボットが同じテカり方するわけないですね。
まぁそういった難しい事は置いといて、私はつやを消した方が高級そうに見えるしカッコ良さそうだという単純な理由でつや消しにしております。
別にカーモデルだからグロス塗装、戦車だからつや消しにしなければならないというルールは無いので、テカテカでもつや消しでも自分が好きなようにやるのが良いと思います。


●いよいよ組み立て

クリアー吹きが終わったら組み立てましょう。
後ハメ分割しておいた顔とおでこのメインカメラもここでくっつけます。

というわけでようやくガンダムが完成!

まず私にお疲れ様でした。そしてここまで読んでくださったお前らもついでにおつかれ(何か偉そうだぞこの人)。
ここで作ったガンダムはこちらに展示しております。

ガンダムはこれで完成なのですが、模型講座はもうちっとだけ続きます。
後はこのガンダムを乗せるベースを作り、それから写真撮影までやっちゃいましょう。

書いた日:2003年3月

次は「ベース」です

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