ウレタンを使っていた際に起きたトラブルのお話です。
●面白現象 積雪
真夏日にウレタンクリアを吹いていたら、この様に雪が積もったかのごとく真っ白になってしまいました。これは何だろう?
濃度の濃い塗料を低圧で吹くと表面が砂のようにザラザラになる事はあるのですが、これは砂どころではありません。
●雪が積もる原因と予防策
これはどうやらウレタンがブラシのカップの中で半硬化している時に起こる現象のようです。
2液を混ぜ合わせて間もない頃は問題ないのですが、しばらく時間が経つとカップ内で既に硬化を開始します。カップの中ではまだドロドロの状態でも、ブラシから発射されパーツに付着する前に激しく空気に触れ、その時ミストの1つ1つが固まり始め、塵を吹き付けるような形になりこのように雪が積もった現象になるようです。
夏場はウレタンの硬化が極めて早い為、こういった現象が起こりやすいようです。
解決策は混ぜ合わせてからすぐ使うこと。これに限ります。
また一度にたくさん混ぜないで、少量混ぜては使い切り、また混ぜて…を繰り返せば大丈夫です。具体的な量としては5mlでもちょっと多ので、2.5mlずつ混ぜるくらいで丁度良いかもしれません(原液吹きの場合)。
別の対策法としては、ウレタンシンナーで薄めておく事です。シンナーで薄めれば硬化速度も遅くなります。こちらの方が無難なのでオススメかな。
●雪が積もった際の解決策
雪が積もってしまった時の解決策。
ウレタンシンナーを吹き付けたら雪が溶けます。ラッカー塗料のフラットベースを吹き過ぎたときにシンナーを吹き付ければ治るのと同じ理屈ですね。(かぶりの修復法の項を参照)
●気泡が出る事もあります
しかしながらこの雪が積もる現象はそれほど怖くありません。どうせ硬化後に表面を磨けばツルツルになるしね。
今回一番困ってしまうのは気泡です。
表面はツルツルテカテカなのに、内部に空気が閉じ込められて泡がプツプツ出ております。写真では分かりづらいかもしれませんが、これは本当に困ります。
これも夏によく起こる現象のようです。気泡というのは流動性の低いドロドロした液体で生じやすいです。シリコンやレジンキャストや、このウレタンのように。
解決策としてはウレタンシンナーで薄めてできるだけサラサラな状態にしておけば気泡は生じません。
私の経験上では雪が積もった状態になった場合はまず間違いなく気泡も入ってしまいます。逆に言うと雪が積もらないように吹けば気泡も出ないでしょう。
先にも書いたけど夏場はウレタンシンナーで薄めて使うのが無難です。どうしても原液吹きがしたいなら必ず少量(というか微量)ずつ混ぜてすぐ使い切れば問題は起こりません。
考えてみたらレジンキャスト(無発泡ウレタン)も夏場は硬化が早くて使い辛いよね。