よく「ウレタンって下地を溶かさない?」と聞かれることがありますが、まず溶ける事はありません。実際にウレタンを使った事がある人はそんな事誰でも分かっている事かもしれませんが、使った事が無い人はどうもウレタンにそういうイメージを持っている事が多いようです。
結論から言うと、ウレタンはラッカーよりも下地を溶かしにくいです。
●ウレタンでも下地は溶かします
さて、ウレタンは下地を溶かすかというと、確かに溶けます。
これはラッカー塗装の上に油性マジック(ゼブラマッキー)で字を書き、その上からウレタンでコートした物です。
テストピースなので適当にぶあーっと吹いたらこのようにマジックの字が少しにじみました。(ちなみに、ガンダムマーカーやマジックで塗った場合、上にクリアを圧吹きするとにじみやすいです。やはりマジックよりもエナメル塗料を使うのが無難です。)
また、ウレタンでデカールを溶かす事もあります。やはり一度に乱暴に厚吹きするのは厳禁ですね。
●ラッカーはもっと溶かします
しかし、溶けるという話をするならラッカーの方がよほど溶けます。
この溶け具合は酷い。気泡まで出ております。余程下手な奴が吹いたんだな(私が吹きました)。
これはデカールを貼り、その上からラッカークリアをぶあーっと激しく吹いたのですが、字が読めなくなるくらいデカールが縮み上がりました。ウレタンならここまでは溶けないでしょう。
↑結局ラッカークリアを諦めウレタンでやったら綺麗にできました。
●まとめ
ウレタンクリアの特徴の項でも書きましたが、ウレタンよりもラッカーの方が下地を侵しやすいのです。つまり、溶けるという話をするならラッカーの方がよっぽど溶けるわけで、逆に下地を溶かさずにクリア塗料で厚くコートしたいからウレタンを使うわけなのです。
どうも私は上手ではないので、ラッカークリアで厚くコートする事はできません。
余ったウレタンをこのパーツに死ぬほど吹き付けてみました。ドロドロに垂れまくるくらい乱暴に吹き付けましたが、ラッカー塗膜もプラスチックも全く変化はありません。
余談になります。
ラッカーはウレタンよりも下地を侵しやすいという事は、逆の発想をするとラッカーはウレタンよりも下地に対する食い付きが良いという事になります。ウレタンはラッカーよりも食い付きが悪く、剥がそうと思うと綺麗に剥がれます。(わざわざ剥がさなければ問題ないけどね。)