>  > 「囲碁で対局」製作記

また適当な物でも作って模型屋のコンテストに出してみることにする。
とは言っても特にアイディアは思いつかず。ここのところ私は模型作りよりも囲碁の方に夢中。
友人に「それなら囲碁の模型でも作ったら」という投げやりな提案をされたので実際に作ってみることにした。
それにしても「囲碁の模型」とは一体何だ??


では製作開始

適当に模型を並べながら配置を考える。

だいたいこんな感じにするか。

使用キットについて。
ガンダムは2020年発売のエントリーグレード。
ザクは2020年発売のHGUC。
探してみたら大昔に作ったHGUCズゴックが出てきたので、観客として後ろに配置する。今調べたら1999年発売の物らしい。

余談になるがこれを作った2022年はコロナ禍の影響からかガンプラの背取り転売が横行し、各模型店の棚からガンプラ在庫が消えてスカスカになるという信じられない状況が起こった。私は普段は戦車や飛行機などのスケール模型ばかり作っているのでさほど困りはしなかったが、ガンダムなんて模型屋に大量に並んでいるのが当然というのが僕らモデラーの認識だったので、ガンプラが供給不足になるというこの現象には大変驚いたものだ。


EGガンダム、価格550円のキットにしてはこのパーツ数と可動は十分すぎるのだが、さすがに正座するような設計にはなっていない。なので各所を切り刻んで貼り付けて正座の形を作ることにする。


完成した姿がこれ。関節部分と足の裏には穴ぼこがあいていたので、それもパテで埋めた。


さて碁盤の制作。まずはプラ板箱組。
碁盤の厚みは6寸盤くらいをイメージ。
裏面の血溜まりの凹みは絶対に見えないだろうから省略。


碁盤の脚は石粉粘土で制作。
碁盤も将棋盤も脚は梔子(クチナシ)の形になっている。


4個も作るのは面倒臭い。
リューターで削ったり粘土を盛ったり。
どうせ脚に注目する人なんて居ないだろうからササッと作ろう。


碁盤の目盛り線はデカールで表現する。
とりあえず紙に印刷して確認。


色を塗った。


木目の模様を油絵の具で書き込んでそれっぽくなったら、目盛り線のデカールを貼る。
ミニ碁盤が完成したので本物の碁盤の上で記念写真。


碁石は樹脂粘土で制作。
木工用ボンドで1個ずつ盤に接着。


さてズゴック。
脚がとても長くて大きい。立膝ついたり正座させて座らせても脚の分のスペースが無駄な気がした。
なので小さい足首を自作して短足化する事にする。


使い慣れた石粉粘土で靴を作る。


チビズゴックのできあがり。
可動部分が多いが、動かないように塗装後に関節部分は全て接着する。


2人が座る座布団も粘土で制作。
ところで"forbid"とメモ書きされているが、一体何を禁止しているのだろうか。自分で書いたはずなのに全く記憶に無いのが怖い。


さてガンダムの手。これはHGUCのネモから平手を拝借。
右手で碁石を持つので指を切り離して加工する。左手はこのまま使おう。


下辺星に石を打つ事はこの段階からもう決まっていたようだ。
この場所に石を打つ前提で指を制作。


だいたいこんな感じか。


裏から見た写真もあった。作っている間に薬指だけどこか行ってしまったようなので、ここだけプラ棒で作っております。


さて、板の上に座るだけだと平面的でつまらないので、戦車模型のジオラマみたいにスタイロフォームで立体的に立ち上げていくことにする。
ほら、宇宙世紀だしさ、別に馬鹿正直に地面に座る必要ないわけじゃん。壁に垂直に座っていたり、上下逆さまになって碁を打つのも楽しそうだよね。

…と思ったがやはり冷静になってスタイロフォームの厚み分だけ傾けるに留めておく事にした。
何だよ上下逆さまって。さすがに意味が分からないな。


畳は100円ショップセリアで買ってきたボール紙製の情景セットを使用。
茣蓙を加工してミニチュアの畳を作ることも考えたのだが、お手軽な物を見つけたのでこれにした。いちいち床部分に手間なんてかけたくない。


だんだん完成が見えてきたのだが、この期に及んでズゴックの横に猫を配置することを思いつく。
模型製作はアドリブの連続だ。


ちなみにこの猫はバンダイの「ねこぶそう」という商品のもの。猫部分は塗装済みの完成品なので、それをそのまま使った。
以前ヤフオクで猫パーツだけが大量に売っていたのでそれをまとめて購入した物があった。


「深奥幽玄」と「局前無人」と碁盤の目はデカール。
まずは紙に印刷して大きさをすり合わせる。
川端康成の揮毫を縮小して版下を制作し、それを印刷するという謎の作業などをしていると、「自分は一体何をしているのだろうか」とふと冷静に我に返り、思わず死にたくなってしまうものだ。だがその都度自分を励ましながら今日も元気に私は生きている。


数年ぶりに使うMDプリンター。windowsXPじゃないと対応していないので、古いノートPCを引っ張り出して作動させている。
今どきデカールを自作する人は少ないのかもしれないが、今でもクリアデカール用紙は販売され続けているのでありがたい。


私はいつも鏡面印刷して裏返しに貼っている。インクの剥がれを防止するためだ。


何故か1/35スケールのドイツ兵と一緒に撮影。


もう少しで完成だ。
ちなみにガンダムとザクは基本色は可能な限り無塗装で成型色のままで、細部を筆で塗り足したのみである。ガンダムのプラモデルは多色成形されているので基本塗装が不要なのがありがたい。
ズゴックは合わせ目の都合上かなりの部分を塗装した。


手首の継ぎ目にはタミヤのキャラメル色のエポキシパテをつめこんで隙間を埋めた。


完成間際に碁石を入れる碁笥が無いことに気付く。
まぁ碁笥なんて無くても気にする人も少なそうだが、やはり気になって仕方がないので粘土で作ることにした。適当な大きさに作って上部をリューターでくり抜く。


サーフェイサーを塗布。


塗装して碁石を 何個か入れて完成。
白の碁笥は碁盤の手前に置くので目立つが、碁盤の奥に配置される黒はせっかく作ったのにほとんど見えないのだ。
まぁそれをわかってて作ったんだけどね。


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