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航空自衛隊機のマーキング

ガンダムは実物が存在しないんで、実在の兵器のマーキングがどんな感じなのか見てみましょう。何かイカすアイディアが得られるかもね。(参考資料 イカロス出版『Jウイング』)

ということで、まずは身近な日本の航空自衛隊機から。
例は我が国の防空の要、F-15Jです。強そうだな〜。

注意書きみたいな小さいのは置いといて、大きいのは「国籍」「シリアルナンバー」「所属飛行隊」の3つですね。それぞれどんな意味があるのか見ていきましょう。

●国籍


日本の国籍マークは国旗と同じ日の丸ですね。わかりやすい。
アメリカだったら星とシマシマ、イギリスだったら蛇の目、ドイツは鉄十字ですね。

●シリアルナンバー

垂直尾翼に7桁、機種には下3桁に省略されたナンバーが書かれています。

航空自衛隊では最初の一桁目の「3」が領収年、次の「2」が登録順位、「8」は種別、「942」が製造順という法則になっております。

領収年
領収された年の下一桁が表示されています。ここでは「3」なので1983年か1993年のどちらかになります。(ちなみに製造順が942番目という情報からこれは93年領収の機体だという事もわかります。)

登録順位
「0」はF-1かB-747、「1」はT-3かT-400、「2」はYS-11かF-15かU-125Aという具合に0〜9まで分類されています。
この機体は「2」なのでS-11かF-15かU-125Aのうちのどれかですね。

種別
「1」が輸送機、「3」が固定翼汎用機、「4」がヘリコプター、「5」が練習機、「6」が偵察機、「8」が戦闘機と分類されてます。この機体は「8」なので戦闘機ですね。
登録順位「2」のS-11(輸送機)、F-15(戦闘機)、U-125A(固定翼汎用機)の3機の中で、種別が「8」戦闘機なのだから、この機体はF-15という事がわかります。

製造順
製造された順番に番号が振られます。ちなみにF-15Jは「801〜965」、F-15DJは「051〜098」という具合に製造順から機体を判別することも可能です。

このように6桁の数字から様々な情報が得られるのが面白いですね。

●所属飛行隊

垂直尾翼の絵はどこの飛行部隊に所属しているのかを表しています。

この機体では「ヒグマ」。これは第201飛行隊のマークです。
空自ではテイルマークが日の丸の大きさを超えてはいけないという規定があるので、このような小さめのクマさんになってます。確かに国籍よりもクマの絵の方が目立ってたら不便ですね。

航空自衛隊は府中の航空総隊以下に北部航空方面隊、中部航空方面隊、西部航空方面隊、南西航空混成団、等々が存在し、各方面隊の下に航空団が存在します。そして各航空団の下には任務ごとに各飛行隊が配置されています。
飛行隊というのは任務を持つ最小単位であり、1つの航空団以下には2つの航空隊が配置されています。

航空幕僚監部
 
市ヶ谷
航空総隊
 
府中
北部航空方面隊
 
三沢
第2航空団(千歳) 第201飛行隊(F-15J、F-15DJ、T-4)
第203飛行隊(F-15J、F-15DJ、T-4)
第3航空団(三沢) 第3飛行隊(F-2A、F-2B、T-4)
第8飛行隊(F-4EJ改、T-4)
北部支援飛行班(T-4)
北空警戒管制団(三沢)  
第3高射郡(千歳)  
第6高射郡(三沢)  
基地防空隊  
北空施設隊(三沢)  
北空音楽隊(三沢)  

これは北空の例。

●「航空自衛隊」


戦闘機以外の機体は胴体に漢字で「航空自衛隊」と書かれてます。

実機の話なんで小難しい話になってしまいましたが、こんな感じで見ていきましょう。
次は「アメリカ空軍機のマーキング」です。
 

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