私は白サフを愛用しております。ここでは白サフの特徴、使い方などを述べてみます。
●まえがき:なぜ白じゃないとだめなのか?
ふんどしの話じゃないですよ。
例えば茶色や紺や黒に塗る場合、あるいは赤でもくすんだ感じの赤にしたい場合は下地がグレーでも良いのですが、ピンクや水色、黄色に塗る場合は下地が白くないと綺麗に発色してくれません。その為、一度グレーサフを吹いた後、パーツを白く塗らなければなりません。
全10パーツくらいの模型ならそれでも良いのですが、パーツ数が数十、数百というようなキットの場合、この白い下地を作る手間が非常に煩わしく感じてしまいます。
ガンダムやキュベレイ、パトレイバー等、元々の成型色が白のキットを、一度サフでグレーに塗り、その後また白く染めるというのは、ただの遠回りではないかと私は思います。ゆえに白いサーフェイサーがあればそれに越した事はないわけです。
また、フィギュアの肌色を塗る際にも下地はとても大事です。一度グレーに染めてしまうと、ホワイトを重ねてもなかなか純白には戻りません。
よって、肌色塗装にはサフを使用しないサフレス塗装というものもあります。私としては色々試してみた結果、下地が黒くならない限りサーフェイサーは使用するべきだという結論に達しました。よって白いサフが欲しいわけです。
参考写真
↑左が白いパーツにホワイトサフを塗ったもの、真ん中がグレーサフを吹きその後ホワイトで(厳密に言うとフィニッシャーズのファンデーションホワイトで)塗装して白くした物、右がグレーサフを吹いたもの。
一度グレーにすると、白を重ねてもどういうわけか青っぽさが残ります。
●瓶入りの白サフはあるのか?
ホワイトサーフェイサーは
クレオスから「Mr.ホワイトサーフェイサー」、タミヤからは「ファインサーフェイサー」という商品が出ておりますが、困った事にどちらも缶スプレーなのです。缶サフを使う人はこれで良いのですが、私はサフもエアブラシで吹きたいので、瓶入りタイプの方が好ましいです。
瓶入りタイプとなると、クレオスから「ベースホワイト1000」というものが出ておりますが、これは顔料が大きく表面がザラザラするので使えません。(そもそもこれはサフっぽいけどサフではないです。)
そんなこんなで色々探してみた結果、フィニッシャーズの「アクリルプラサフ ホワイト」というのが見つかりました。
↑左からクレオスのサーフェイサー、クレオスのレジン用プライマーサーフェイサー、フィニッシャーズのアクリルプラサフホワイト。
というわけで、アクリルプラサフホワイトについて。
●アクリルプラサフホワイト その特徴
フィニッシャーズのアクリルプラサフホワイトはハッキリ言って慣れるまでは使い辛いです。
アクリルプラサフホワイトはクレオスのプライマーサーフェイサーに比べて以下の特徴があります。
長所
・塗膜が頑丈
そんな気がします。良い事です。
・食い付きがかなり強い
実際に塗装を剥がしてみると分かりますが、やたら食いついてます。
短所
・なんだか知らんけど濃い
クレオスのプラサフに比べてこの白プラサフはやたら濃く、吹いた表面がザラザラになりやすいです。クレオスのサフなら1.5倍希釈くらいの濃さでモッサリと吹く事も可能なんだけれど、この白サフではそういう使い方はしづらいです。
この白サフは最低でも3倍希釈して、表面を濡らしながら(タレないように注意しつつ)塗装するのが多分正しい使い方ではないかと私は思ってます。
・何かがすぐ沈殿する
エアブラシのカップにサフを入れたままにして、しばらく(5〜10分くらい)塗装を休憩するとカップの底に何かが沈殿してブラシが詰まってしまいます。ちょっとでも塗装を中断する時は、ブラシの中身を別の容器に移し、ついでに掃除の為にブラシにシンナーを入れて軽く吹きノズルを詰まらせないように注意しましょう。
特徴は以上です。
アクリルプラサフホワイトは模型用のサフではないようで、そのため大変使い辛いのだと思います。元々自動車塗装用の大型のハンドピースで豪快に吹く塗料なんですね。
逆に、クレオスのプラサフは模型用の小口径低圧のハンドピースでも使い易いように作られたサフなので、その分食い付きと塗膜が弱くなったのではないかと私は推測します。
他に、「白だと傷が見つけ辛い」という短所もありますが、グレーよりは見つけ辛いというだけで、白サフでも傷や気泡チェックは充分できます。でも大幅にパテ盛りしたパーツにはやはりグレーサフを使うのが良いと思います。
●アクリルプラサフホワイトを上手に吹くには
とにかく濃いアクリルプラサフホワイト。
これを上手く吹くためには、普通以上に薄める必要があります。元々の濃度がどのくらいだか忘れてしまったのでハッキリと言えませんが、とりあえず4倍以上に希釈しましょう。
初めて使う人は「こんなに薄めるのかよ!」って思うほど薄めるのが適当な濃度だと思います。
薄めた後は光沢塗装と同じ要領です。
表面を濡らしながら垂れないように上手く吹いていきましょう。
ライトを当てながら吹くとわかりやすいです。
プラスチックでもまぁ問題なく塗装できます。
アクリルプラサフホワイトも慣れればなかなか使いやすいものです。でもやはりクレオスのプラサフはもっと使いやすいです。
●漢な貴方は4kg買い
セコい性分なので、単位体積あたりの値段が気になってしまいます。
クレオスプラサフ 300円/40ml=7.5円/ml
フィニッシャーズアクリルプラサフ 800円/60ml=13.3円/ml
アクリルプラサフホワイトはクレオスの倍に近いの値段のようです。でもアクリルプラサフはクレオスプラサフよりも濃い目だから、アクリルプラサフの3倍希釈がクレオスの2倍希釈に等しいと仮定すると(ちと乱暴な解釈だが)、60mlは90mlに等しいという事となり、
800/90=8.89円/ml
となります。お、こう考えると結構安いな。
そんな事を日記に書いていたら、このアクリルプラサフホワイトと似たような物がぺいんとわーくすで売っているという情報を頂きました。
http://www.paint-works.net/under/prim/p_suf.htm
ここの「029-0105 ラッカープラサフ ホワイト」です。
さて、この「プラサフホワイト」、4kgで3400円なのだから0.85円/g
水と比重が同じだとするなら0.85円/ml
実際は水より重そうだからこれよりもちょっと高いだろうけれど、それでもクレオスの7.5円/mlに比べれば格安であります(4kg売りなので当然かもしれないけれど)。
ちなみに18キロ買いなら0.55円/g
漢なら18キロ買いだ!…と思ったがさすがにそれは無理です。4キロでも充分無理っぽいですが…
思わず4kg買ってしまいました。先生、ここにアホな子が居ます!
●タミヤから出たぞ
気付いたらタミヤからホワイトサフが発売されていました。
白サフが必要な場合はこれを使いましょう。
4kgアホ買いした私は夕陽に向かって走ってきます。