ビスマスパールの経年による退色は実際どの程度なのか
9年がかりで試してみた
実験テーマ
ビスマスパールというものは普通のパール塗料よりも反射力が強く、ギラギラする塗料である。
詳細はこちらに詳しく書かれている。ガイアノーツのサイトで通販もされているようだ。
そんなビスマスパールだが、紫外線によって変色するというのは有名な話だ。(正確に言うと紫外線暴露によって黒変してしまうらしい。詳細はこのページの下の方に書かれている。)
実際どのくらい色味が変化するものなのか、9年がかりで試してみた。
結論
直射日光を当てずに部屋に9年間普通に置いていたのだが、「ビスマスパール」と「ビスマスパール微粒子タイプ」は、わずかだが黄ばんでいるのが確認できた。またギラギラした輝きが若干減っていた。(黄変したのはビスマスパールの問題というよりはクリア樹脂の問題なので、ビスマスパールに限らず塗料全般の問題だろう。)
なにはともあれ2つのパーツを重ね合わせて凝視してようやく僅かな違いを認識できるというレベルなので、正直気にしないで良いだろう。ちなみにFGパールは全く違いが分からなかった。
それでは実際に写真を見ていこう。
これらのパーツは2007年2月に塗装して撮影したもの。
このように同様の塗装を施した物を2つずつ用意した。
片方は箱の中に入れて紫外線が当たらないように保管。
もう一方はこんな状態で普通に部屋においておく。
直射日光は当たらないけれど、拡散された太陽光や蛍光灯の光は当たるという状態、つまり部屋に飾ってある他の模型と同じ状態で置いておいた。
さて、ここからは2016年10月に撮影した写真。
3年間ほどで違いを確認してみようかと思っていたのだが、放ったらかしたまま9年も経ってしまった。
マスキングテープが貼ってある。テープで隠れた箇所とそれ以外の箇所で変色があるかどうかを試そうという意図のようだ。(今考えたら光が透過しやすい黄色い薄いテープではなくて、もっと分厚い黒いテープを貼るべきだったな。)
テープを剥がしてみた。
詳しくは後述するが、真ん中の2個はテープの跡が確認できたが、両サイドの2個はテープ箇所の色の違いは確認できず。
上が箱に入れて保管していたもの、下がずっと外に出していたもの。
それでは1つずつ見ていこう。
FGオパールレッド+コピックR39 → FGオパールライラックパール
(要するに、クリアレッドで着色したピンクパールを吹いて、その上から紫パールをコートしたもの)
左が露出保管、右が暗室保管
これはビスマスではなくFGパールである。
左右のパーツの色味の違いは全く分からない。
テープを貼っていた箇所も全くわからない。
ビスマスパール → クリアブルー
左が露出保管、右が暗室保管
これは違いが確認できる。
左側はほんのわずかだが色が黄色がかっている。そして右の方が若干ギラギラしている。
メモが無いのでどう塗ったか不明
多分 ビスマスパール → クリアレッド かな?
左が露出保管、右が暗室保管
ほんの僅かに左が黄ばんでいるかな?ギラギラ感も右の方が強い。
黒→ビスマスパール
左が暗室保管、右が露出保管
色味の変化は分からないが、左の方がギラギラして、右は若干曇りがある。
テープを貼っていた箇所との違いは確認できず。
これも黒→ビスマスパール
左が露出保管、右が暗室保管
明らかに右がギラギラして、左が曇っている。
上の2つはビスマスパール微粒子タイプ。下の2つは普通のビスマスパール。共に白を下地にした上に塗装。
左側が露出保管、右側が暗室保管
では普通のビスマスパールから見ていこう
左は暗室保管で、右が露出保管
この写真だと分かりづらいかもしれないが、明らかに右の方が黄ばんでいる。
黄ばんだだけでギラギラ感の変化はよくわからないな。
テープを貼っていた箇所はハッキリと認識できる。
次はビスマスパール微粒子タイプ
今はこの塗料は売ってないのかな?
左が暗室保管、右が露出保管
普通のビスマスほど違いは大きくないが、若干右が黄ばんでいる。
テープの箇所も識別できる。
冒頭にも書いたが、室内保管の場合ならほんのわずかに色味が変化する程度だからあんまり気にしないで良いだろうと私は思っている。黄変したのはビスマスの問題ではなくクリア樹脂の問題だ。よって問題にするなら若干輝きが減りますよという程度かな。
噂の黒変現象は確認できなかった。意図的に直射日光に当て続けれは黒くなるのだろうか?