エアブラシを初めて購入しようとしている人に向けた文章です。

"ちょっとガンプラが好きな一般人"と"模型おたく"の違いは何かと考えるならば、「エアブラシを持っているか否か」という事が1つの大きな境界になるのではないでしょうか。
今回はそんなエアブラシ（ハンドピース）を買おうかどうか迷っている人に向けた内容です。たいした内容ではありませんが、私の経験をふまえてちょっとした与太話を書いてみます。

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●私の体験談

私事になりますが、私がエアブラシを初めて購入したのは1998年の夏だったと思います。その時エアブラシを買おう思った動機は何だったかと言うと、シルバーの上にクリアイエローを吹くという金色塗装がやりたかったからです。

それまで私は、塗装などせいぜい筆で塗るか、缶スプレーを使えば良いと思っておりました。しかし各色が充実しているMr.カラーの小瓶に対して、缶スプレーは色数が圧倒的に少ないです。（当時はクリアイエローのスプレーはありませんでした。）
それに缶スプレーはガスの値段も含まれているので値段も高価です。

エアブラシは少し高いけれど、でも1度買ってしまえば、あとは安くて色数も充実しているMr.カラーで自由にスプレーする事ができるだろう。

そう考え、ハンドピースを購入する事にしました。
買ったのはこれ。

タミヤバジャー350II エアーブラシセット 定価約7000円

これなら値段も安いし、ホースもエア缶も付いているのでお買い得です。
当時はそう考えたのですが…しかし、これは吸い上げ式のシングルアクションのハンドピースで、お世辞にも使い易いとは言い難いです。しかもエア缶は消耗品なので、あっという間になくなりました。
今からあらためて考えてみても、このタミヤバジャーはとてもオススメできる品ではないと思います。

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グラデーション塗装などをするには、やはりダブルアクションのブラシでないと駄目だ。

それに気付いた私はちょっと高くてもしっかりしたブラシを買うことにしました。

タミヤ スプレーワーク HG トリガーエアーブラシ 定価15800円

今考えたらこんな高いブラシじゃなくても良かったんですが、このブラシは大変使い易く2007年現在でも使い続けております。このブラシは（ちょっと高いけど）オススメです。

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高性能で使い易いブラシを手に入れたわけですが、空気はまだエア缶を使っておりました。

さすがに2〜3万も出してコンプレッサーまで買う必要はないだろう。

当時はそう考えておりました。当時の私はまだまだ模型おたくになり切れない、覚悟の足りない人間だったのかもしれません。

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しかし、何体かプラモを塗っているうちにやがて気が付きました。
MGのガンプラ1体を塗るのにエア缶を3〜4本消費します。エア缶は安くても1本800円程度ですから、長く続けていくにはどう考えてもコンプレッサーを買った方が安上がりです。
コンプレッサーを買ってしまえば空気は使い放題なので、ブラシ掃除の際にガスをケチる必要もありません。

覚悟をきめるしかないな。

結局2万数千円でGSIクレオスのMr.リニアコンプレッサーL5を購入する事になりました。
それ以後はエアブラシ（ハンドピース）を2,3本買い加えながら今に至ります。

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●チビチビ買わずドカンと行け

今だからこそ言えることですが、初めから覚悟を決めて"Mr.リニアコンプレッサーL5"と"ダブルアクションエアブラシ"のセットを買えば一番安く済みました。（コンプレッサーとブラシのセットは各模型屋やネット通販で3万円代くらいでよく売っております。）
色々な人から話を聞くと、私と同じような経験をしている人は結構多いです。

兵力の小出しはタブーというのは兵法の初歩ですが、エアブラシに関しても同様で、シングルアクション→ダブルアクション→エア缶→コンプレッサーという手順でちびちび買って乗り換えていくと無駄にお金が掛かってしまいます。
「俺は模型をやるんだ！」と決めたらドカンとお金を出してコンプレッサーセットを購入するのが一番賢いでしょう。

でも、もしかしたらプラモを1体塗っただけで模型に飽きてしまう可能性もあるから、本当に自分は模型趣味を続けるのかどうかという見極めは非常に難しいです。私が無駄にエアブラシ関連にお金を掛けてしまったのは、その見極めと覚悟ができなかった代償なのではないかと思っております。

という事で皆さん、模型やるならスッパリ覚悟してコンプレッサーセットを買いましょう！

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●コンプレッサーについて

私はGSIクレオスのMr.リニアコンプレッサーL5しか使った事がないので、他のコンプレッサーとは比較ができません。ここら辺の情報はネット上で探して色々な人の見解を調べてみると良いでしょう。

Mr.リニアコンプレッサーL5の特徴は動作音が静かで、空気圧が約1気圧(0.1MPa)という事です。
動作音に関してはとくに不満はありません。夜中でも問題なく使える音量です。
0.1MPaという空気圧に関してですが、私はプラモデルやガレージキットを作る上ではこの圧力で不満を感じた事はまずありません。

唯一圧不足だと思ったのはウレタンクリアーを原液のままドロドロの状態で吹こうとした時です。さすがに原液吹きをするにはL5では圧不足なので、その場合はエア缶を使うようにしております。（もしくはウレタンシンナーで薄めて粘度を落としてL5で吹きます。）
それともう1つ、シリコーンゴムで複製をとる際、ブラシで空気を吹きつけシリコーン内の気泡を表に逃がすという行為をする事があるのですが、その気泡逃がしをやる場合もL5では圧不足です。

しかしながら、ウレタン原液吹きにしてもシリコーンの気泡逃がしにしても相当マニアックな用途でありまして、普通にMr.カラーでガンプラやフィギュアを塗装する場合にはリニアL5は全く問題の無いコンプレッサーだと思っております。尤も私は他のコンプレッサーを使った事が無いので、他にもっと良い物があるかもしれませんが。

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●ハンドピースについて

ハンドピースはダブルアクションの物であれば、1万円前後の物で良いと思います。メーカーはタミヤでもGSIクレオスでもどこでも似たような物のようです。

高いハンドピースも色々ありますが、高いからといって使い易いわけではないようです。
私の知人はコラーニという高級ブラシを使っているのですが、結局サフ専用ブラシになってしまっているようです。私もエボリューションというノズル口径が変更できるちょっと高いブラシを使っておりますが、ノズルは0.4mmしか使わなくなり、サフ用ブラシになってしまいました。
もちろん、道具というのは各人との相性の問題ですから、一概にどうとは言えないのですが、私はハンドピースの使い易さと値段は比例しないと思っております。

ノズル口径は最初は0.3mmの物を買えば良いでしょう。0.3mmは細すぎず太すぎずで万能のサイズです。2本目が欲しくなったら0.2mmの物を買うのも良いと思います。

ちなみに私が一番愛用しているブラシはこれです。

タミヤ スプレーワーク HG スーパーファインエアーブラシ
0.2mm口径のブラシです。これは別に特に優れているブラシというわけではなく、昔から長く使っているから一番手に馴染んでしまったというだけです。
道具なんてそんなもんだよね。