キャタピラを沢山貼り付けてみました。
■キットについて
タミヤ48MMシリーズのNo.32
2006年6月発売。定価1680円。
シャーマンの金型流用バリエーションキットである。
■これはどんな車輌なんですか?
アメリカから提供されたシャーマン戦車を改造して、強力な17ポンド砲を搭載させたイギリス軍の切り札である。イギリスの所有する戦車はどれも対戦車能力の乏しい車両ばかりだったので、このファイアフライはドイツ戦車相手に大活躍したようだ。
ファイアフライというのは「蛍」という意味である。何故そんなにひ弱な生き物の名前を付けたのか私はずっと疑問に思っていたのだが、ヨーロッパの蛍は日本の蛍と違い獰猛な生物なのだそうで、けっして弱々しい名前ではないようだ。
ちなみにICは「アイシー」ではなく「ワンシー」と読む。M4(通称:シャーマンI)を改造したC型という意味である。当初はM4A4(通称:シャーマンV)の車体を使用したVC(ファイブシー)を製造していたのだが、シャーマンVの車両が不足してきたので、後半は旧式のM4(シャーマンI)の車体を使ってこのICを作るようになったようだ。
本来シャーマンは5人乗りなのだが、ファイアフライは副操縦手がいなくなり4人乗りになっている。1人減らして空いたスペースは砲弾置き場にしたようだ。
よって車体右前部の副操縦手席の前の車体機関銃も撤去されている。
このように装甲表面に履帯を溶接して防御力を強化したファイアフライの写真は沢山見かけられる。戦車に乗る人達にすれば装甲の厚みは命に関わる問題だから、形振り構っていられなかったのだろう。
敵にとって最も脅威的な存在であるファイアフライは、戦闘になると最優先で敵に狙われる羽目になってしまった。よって下の写真にあるように砲身の先端部を白く塗ったり、ダミーのマズルブレーキを付けたりと涙ぐましい努力をして長い砲身をごまかし、シャーマン部隊の中に身を潜めたらしい。
必死だな。
それにしても下の写真のようにクロムウェルと並べてみると、シャーマンよりもクロムウェルの方に17ポンド砲を積んだ方が良いのではないかとも思ってしまう。
実際にイギリス軍は強力なドイツ戦車に対抗する為に、ファイアフライの他にも様々な車両に17ポンド砲を載せた改良計画を試みていたようだ。クロムウェル改造のチャレンジャー、バレンタイン改造のアーチャー、チャーチル改造のブラックプリンス等であるが、それらの車両はどれも開発が遅れて44年の末頃にようやく戦線に投入されたようだ。
そんなわけで、このシャーマン改造のファイアフライのみがノルマンディー上陸作戦に間に合い活躍の機会を得られたわけである。どうせ他の機種は間に合わないのなら最初からファイアフライ1種のみの開発に全力投球していれば良かったんじゃないの?…って思ってしまうが、それは後世の人間の後知恵でしかないか。
フィギュアは48MMシリーズNo.26「イギリス歩兵セット」の物を軽く改造し、前方に乗り出すようなポーズにした。
恒例の「Company of Heroes」のコーナー。
ゲーム中ではティーガーやパンターよりも射程が長いんやで。
でも装甲は薄いから大事に使わなあかんけどな。
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