陸自の迷彩には各色の境界線がクッキリしている場合とボケ足がある場合の2種類が存在するのだ という話
陸自の車両やヘリコプターには迷彩が施されているが、何故クッキリ迷彩とボケ迷彩の2種類が存在するのだろうか。そんな細かい事をいちいち気にする必要はないのかもしれないが、とりあえず気にしてみよう。
●陸上車両
まずはクルマだ。陸自の車はクッキリ迷彩が基本だが、たまにボケ迷彩の車両もあるよ。
この軽装甲機動車は2017年4月29日、下志津駐屯地でのつつじ祭りで展示されていたもの。
マーキングにある通り習志野駐屯地の第1空挺団に所属する車両のようだ。
この車両は迷彩の境界がボケている。
近くで見るとボケボケだ。
後ろもボケボケ。
これは1年後の2018年4月29日、同じく下志津駐屯地で撮影した軽装甲機動車。
1年前と同じく習志野駐屯地の第1空挺団の車両だが、今度は迷彩の境界線がクッキリしている。同じ車種でも迷彩に違いがあるのか。いやよく見たら迷彩のパターンもだいぶ違うじゃねえかよ!
これは刷毛で塗ったんだな。色の境目がクッキリしとる。
境界線は塗り重ねの段差がはっきりとわかる。
●回転翼機(ヘリコプター)
ここからはヘリコプターだ。ヘリはボケ迷彩が多いが、希にクッキリ迷彩が存在する。陸上車両と逆だな。
さて、ここからは2017年2月25日の木更津航空祭で撮影したもの。(余談になるが木更津航空祭は毎年9月に行われるのだが、この年は例外的に2月に行われた。)
UH-1J。これはクッキリ迷彩だな。
クッキリクッキリ。ちなみに「SK」のマーキングは航空学校霞ヶ浦校を表している。
テールローターの付け根。境界線の段差がすごい。これはもうクッキリというレベルを超えとるぞ。模型を作る際も塗料をウルトラ厚塗りしてこの段差を再現するのだ!
これはAH-1コブラ。
コクピットの座れる催しをやっているようで、すごい行列です。
これもクッキリだね。
ちなみに「IVATH」というのは第4対戦車ヘリコプター隊の事。木更津駐屯地には陸上総隊直轄の第1ヘリコプター団の他に、東部方面隊隷下の第4対戦車ヘリコプター隊も所属しているんだね。シン・ゴジラでもIVATHは出てきたよね。
コブラはクッキリしとる。
次はAH-64Dアパッチ・ロングボウ。この機体はボケ迷彩だがこの距離で見るとクッキリ見えるな。つまり1/48や1/72に縮小すれば何でもクッキリ境界で良いのかもしれん。
近くで見るとボケ足がわかるな。
さらに拡大。完全にボケている。
お尻の方。
水平尾翼。ここは結構ボケている。放電索も付いてるんだな。
CH-47JAチヌーク。
これもボケ足があるのだがこの距離でみるとクッキリに見えるな。
機首部分を近くで見るとボケが確認できるが…この程度のボケ具合ならもう「クッキリ」に分類しても良いのではなかろうか?
この辺は汚いな。何度か塗り直したのかな?
スプレー塗装なのだろうが、この辺はボケ足が少ないな。
OH-6D カイユース
ボケボケ
OH-6は塗装が汚い機体が多いな。それだけ日頃激しく使われているという事かな。
UH-60JA
スプレー塗装のようだが、この距離で見てもまだクッキリに見えるな
ここまで近づくとボケ足が見える。
関係ないけど水平尾翼にはやはり放電索が付いてるな。
まとめ
車両
陸上自衛隊の車両は刷毛で各色をクッキリと塗り分けた車両が多いが、たまにスプレー塗装でボケ足がある車両がある。
上記の通り、軽装甲機動車はボケとクッキリの両方が存在する。迷彩のパターンも各車両によって違うようだ。
ヘリコプター
ヘリコプターはボケ塗装の機体が多いが、たまにクッキリ塗装の機体も存在する。
○刷毛塗りで境目がクッキリ
UH-1 富士重工業(ベル・ヘリコプター社)
AH-1S 富士重工業(ベル・ヘリコプター社)
○スプレー塗装でボケ足がある
AH-64D 富士重工業(ボーイング社)
CH-47 川崎重工業(ボーイング社)
UH-60JA 三菱重工業(シコルスキー社)
OH-6D 川崎重工業(ヒューズ・ヘリコプターズ社)
メーカー名とライセンス元のメーカーも表記してみたが、あまり関係は無さそうだ。何故UH-1JとAH-1Sだけクッキリ塗装なのだろうか?
ちなみに私はOH-1ニンジャを近くで見たことはないが、ネット上に上がっている写真を見る限りではOH-1はボケ足のあるスプレー塗装のようだ。
スプレー塗装の機体は刷毛塗り機体よりもボケ気味ではあるが、少し離れた距離から見ると「クッキリ」としか言えない程、ボケ足の短いはっきりとした塗り分けがされている。なので、縮小されたプラモデルを塗るときは全てクッキリとした塗り分けをしれば良いのかもしれないな。