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Zplusのテイルレター「AE」

ゼータプラステスト機カラータイプ(いわゆるアムロ機)のテールスタビライザーには「AE」という文字が入ってます。

この「AE」は「アナハイムエレクトロニクス」のロゴではなく「アウドムラ」を表すテイルレターだそうなんですが、今回はそれに関してのお話。

実は私も長い間ゼータプラスの「AE」はアナハイム社のロゴだとばかり思っていたのですが、ある日ガンダムセンチネルの別冊を読んでいたらこんな事が書いてあるのに気が付きました。

センチネル別冊P155より
「テールレターとして、アウドムラを示すAEとパーソナルマークが入る」
あれ、これはメーカーロゴじゃなくてアウドムラというテールレターだったのか!

しかしながらアウドムラの綴りは「Audhumla」でして、どこをどう略しても「AE」にはなりません。そんなわけでテールレター説はモデグラの誤植、あるいは「AE」と入れたモデラーと解説文を書いた人が別人でその2人は意思疎通ができていなかったのだろう等と思い込むことにしました。

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その後、しばらく経ってまた冷静に考えてみら…

この「AE」はアナハイムロゴの「AE」と形が違うぞという事に気が付きました(おせーだろ!)。

そもそもアナハイムのロゴ「AE」が最初に登場したのはいつでしょう?91年の「0083」で初めて登場したのかな。少なくともセンチネル連載してた頃にはAEロゴは無かった…と思います。
さらにこの頃(センチネルの連載の頃)はF1ブームの前でスポンサーのメーカーロゴをペタペタ貼るような風習は無かったはずです。多分。

特にゼータプラス等は実際の戦闘機を真似てそれらしいマーキングをデザインしてたはずだから、この位置に書かれる「AE」は明らかに所属航空団を表すテイルレターでしょう。少なくともこんなところにデカデカとメーカー名を入れるわけがないです。

と考えまして、いよいよ「アウドムラ」で納得することができました。

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…がモデルグラフィックス02年の3月号のゼータプラス特集でこんなのが

「このADはアウドムラをあらわす云々…」
えーーー。何で「AE」じゃなくて「AD」なんだ!?せっかく納得したのにもう混乱させんでくれー。
結局これに関しては、この文章を書いたライターの人が勘違いをしていたと思い込むことにしました。

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さらにその後、ついこの間なんですが与謝野折檻さんのサイトの「Z-plusのテール・レターについての考察」というページでこんな事が書かれてるのを見つけました。

なお、パーソナル・マーク「A」の直後に書き込まれた「AE」は「アウドムラ」所属を表す。誤解されやすいが、決して「アナハイム・エレクトロニクス」の意味ではない。

あ〜もう折檻さんが言ってんだから間違いないだろ。ってことでアウドムラ説でもう確定だ!

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で、今あらためて考えてみると
「AE」って入れようと最初に考えた人(あさのまさひこかな?)がアウドムラの綴りを「Aedhmula」とかって勘違いして「頭文字2つでAEだな〜」と決めてしまった…なんて訳はないか。
「ADよりもAEの方が見栄えがするからAEにするか〜」ということで決めてしまった…という可能性はあるかも。
それともガンダムに出てくるアウドムラは神話に出てくる「Audhumla」と綴りが違うのだろうか。

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マスターグレード以後のガンプラ世界ではホワイトベース艦載機は「WB」、ペガサスIII艦載機は「PIII」という具合に米空軍風に頭文字を使うのが常識的になってきてますが、米海軍では「NF」「AG」等の航空団や艦載機と全く関係無い文字が使われる例もあるわけだし、まぁ無理にアウドムラの頭文字にこだわる必要はないと思っています。
ホワイトベースやペガサスIIIは宇宙軍所属だけど、ゼータプラスは空軍所属だし、そもそもカラバってのは連邦軍とは別の組織なわけだし、「WB」「PIII」とは表記法則が違うと考える事もできますね。
「モンブラン艦載機だから略してMB」なんて考えるよりも、「モンブラン艦載機のテールレターはYGって事にしよう」と勝手に決めちゃう方が個人的には楽しくて好きだな〜。

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何はともあれ、アナハイム製だからといってアウドムラ艦載機以外の機体に

この「AE」を貼らないように気をつけましょう。


貼るならこっちの「AE」ですね。
 

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