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●合わせ目消し

最近のバンダイのマスターグレードキットは合わせ目を消す所がほとんど無いのですが、それでも合わせ目消しは模型製作の基本テクニックです。

昔テキトーに作ったMGガンダム1.0。
パーツの合わせ目が見えます。(ついでに言うとゲート処理もしておらず、そこが黄ばんでおります)
このままだとオモチャっぽくてちょっと間抜けなのでこういったパーツの合わせ目を消します。

使う道具は接着剤 目玉クリップです。

このMGガンダムver1.5の場合、合わせ目を消す必要がある箇所は

頭、首、ひじ、前腕、あとは武器でしょう。


この赤いパーツのくぼんだ所に見える合わせ目。
これを消すのはちょっと大変なので他のやり方でやります(詳しくは後述)。


●消し方


1.まずはパーツの片面(A)に接着剤を塗ります。たっぷり塗ります。


2.反対側(B)にも塗ります。たっぷりです。

3.おっとBに塗ってる間にAが乾いてきたみたいなのでもう一度Aにも。

4.そしてBにももう一度。

5.さらにまたAに…と5度くらい塗るのが良いらしいです。


5度ほど塗ったら接着します。
「うにゅ」っと接着剤がはみ出たら成功です。


ちゃんとくっつくように目玉クリップか洗濯バサミ等で挟んでおきましょう。
クリップで挟むとパーツが傷つきそうな気がする人はクリップにマスキングテープでも張っておくと良いです。

しかしこうやってクリップで挟む事には賛否両論あります。
不自然に強い力で挟むと逆に隙間が出来てしまうことがあるので、こうやってクリップで挟まずにそのままの状態で乾燥させるのも良いでしょう。

おまけ

これはバズーカです。
どう考えてもやり過ぎだよ!!

これで1週間くらい乾かします。
1週間ほど乾燥させたら、はみ出した接着剤部分のかたまりをヤスリで削って表面を均一にします。

きれいにできました。


●乾燥1週間かよっ!

え?1週間も乾かすのかよ。待てねぇよ!って人は3日くらいでOKかもしれません。
夏場ならシンナーの揮発も早いですし、何とかなるでしょう。
何が怖いかと言うとヒケが怖いんです。


●ヒケの恐怖

ヒケとは、簡単に言うと一旦乾燥して固まったはずのものがまたさらに縮むことです。(詳しいことはヒケ処理の項で)。わかり易く絵にすると。

接着後、乾燥が不十分だと・・


削ってすぐの状態ではきれいな面になっても・・


数日経つとさらにシンナーが揮発して収縮してしまい、溝ができてしまう。
これ最悪。私も乾燥不十分の為に塗装後にヒケが出て何度か泣かされた事があります。
こればかりは身をもって体験するしか。


●瞬間接着剤はやっぱり向きません

急いで完成させたい場合は瞬間接着剤を使うという手があります。(ちなみに100円ショップでも瞬間接着剤は売ってます)
これなら乾燥も速いので安心です。
それとその代わりに瞬間接着剤は「硬すぎる」というデメリットがあるので、やはり合わせ目消しに瞬着を使う人はまず居ません。やわらかいプラスチックと硬い瞬着が混在している状態だと表面処理が相当やり辛くなってしまいます。


●瞬間接着剤とプラ用セメントの違い

ついでなので瞬間接着剤に関する小話。
プラスチック用セメントと瞬間接着剤は全く別のものです。
プラ用セメントはシンナーでプラとプラを溶かして溶接させるのに対して、瞬間接着剤はいわゆる普通の「のり」と同じ接着剤で単にくっつけているだけなんです。
そのため瞬着は一見強力に接着しているように見えて実は衝撃には弱いです。接着面積の狭い細長いパーツなどの場合は瞬着で接着すると何かの拍子にポキと折れてしまう可能性もあります。そのような箇所は瞬着よりもプラ用セメントで接着した方が確実です。

瞬間接着剤の速乾性はなかなか便利ですが、でもプラ用セメントと一長一短なんですね。
時と場合を考えて使い分けましょう。


●1週間を有効に使うには

さて話を戻して・・
ここでまた私流、今回は「1週間の待ち方」です。

このコーナーの工程通りに作ると次の工程「ペーパー掛け」まで丸1週間かかってしまいます。
でも私の場合はこの待ち時間のかかる合わせ目消しは一番最初にやってしまいます。
まず説明書をざっと読んで合わせ目を消す必要がある箇所は真っ先に接着しておきます。そしてほかのパーツの切り離し、ゲート処理、表面処理している間に1週間の乾燥期間は過ぎてしまうという、そんなやり方も良いかもしれません。

書いた日:2002年9月

次は「ペーパー掛け」です

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