>  > 顔料系塗料と染料系塗料

塗料には顔料系塗料と染料系塗料とがあります。
この2つはどう違うのでしょうか。

・顔料は水などの媒質に完全に溶け込まず、媒質中に顔料の粒子が分散したままの状態で塗料となっている。
・対して染料は媒質に溶ける性質があり、布などに染め付けることが可能。

というように、顔料系と染料系は根本的に違う塗料のようです。詳しく見ていきましょう。


●顔料系塗料

絵の具などの塗料は普通は顔料系です。
顔料系塗料は「樹脂(Mr.カラーならアクリル樹脂)」と「溶剤」に「色の付いた小さな粒(=顔料)」が加えられてできています。

顔料は樹脂に溶け込まず、浮いている状態になってます。

ちなみに透明クリアー塗料(『Mr.カラー C46クリアー』など)は樹脂と溶剤のみでできており、顔料が入っていません。色が付いていない透明色だから当然ですね。

つまりこの透明色の「C46 クリアー」に顔料を加えて赤だの青だのの塗料を作っているわけです。

模型に顔料系塗料を塗った図

顔料の粒々が下地を覆い隠すことによって色が付きます。下地を隠ぺいする力があるという事は、言い換えれば透明度(クリアー性)が無いという事ですね。

赤の塗料に透明クリアー塗料を混ぜれば薄い赤、擬似クリアーレッドを作る事ができます。

でもこれは一定量の樹脂に含まれる顔料の割合を減らしているわけで、ある箇所は顔料により隠ぺいされ、ある箇所は下地が見えているという状態になっているだけです。完全な透明性ではありません。(ま、実際に見てみるとほとんどクリアーレッドと違いは分からないだろうけどさ。)


●染料系塗料

染料系塗料は「樹脂」と「溶剤」に「染料」というものが加えられてできています。

染料は顔料と違い、樹脂に完全に溶け込んでおります。水に溶ける砂糖や塩みたいなもんですね。

染料系塗料を塗った図

顔料系は色がついたのが顔料の粒だけだったのに対し、染料系は液体全体に色が付いています。
染料系塗料を塗ると、透明セロハンを貼り付けたような半透明な色の付き方をします。
染料系塗料は隠ぺい力が非常に低いわけですが、言い換えると透明度があるという事になります。

透明セロハンを重ねると色が濃くなっていくように、染料系は塗膜の厚さによって色の濃さをコントロールできます。(逆に言うと全体の濃さを均一にするのが難しく、失敗しやい)

染料系塗料はにじんでしまうという問題点があります。
例えばクリアレッドの上からクリアブルーを吹いた場合

後から吹いたクリアブルーが下地のクリアレッドの層を溶かしてしまい、一部が混ざり合ってにじんでしまいます。

書いた日:2004年3月
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