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●黒との相性がすごく悪い

黒下地で黄色を塗った事がある人は嫌というほど実感している事なのでしょうが、黄色に黒を混ぜるとすぐに濁ってしまいます。赤やオレンジなんかの場合も黒との混色は厳禁とか言われますが、黄色はそれ以上に黒との相性が悪いです。
黄色と対極の位置にある(補色関係)青なんかは黒入ってもどうにかなるんですが…。


●白との相性は良い

逆に白とは相性が抜群だったりします。赤とか青とか緑の場合、白を混ぜると顔料の関係だか何だか知らないのですが何故か綺麗なパステルカラーにならずに若干濁ってしまいますが、黄色の場合綺麗に透き通るように白で薄まってくれます。
赤や青を下地にして白で立ち上げていくと不思議な濁りが出てしまい困るのですが、黄色の場合はそんな心配はありません。


●最も明度の高い原色

例えば赤のシャドー(影色)には何を使うかと言うと、10人中10人がマルーンや紫などの青系に振ると思います。オレンジだったら赤の方に振り、緑だったら青に振るでしょう。何故か黄色から逃げる方向にシャドー色を設定します。

色相環(上図)といって原色の輪がありますが、これは平面上の輪なのではなく、高低差が付いているようです。黄色が一番高くて(明るくて)、青が一番低い(暗い)ようです。

こんなページがある事を教えていただきました。参考になります。)


●すぐ他の色に引っ張られる

じゃあ黄色のシャドーには何色を使うかと言うと、これは非常に困ってしまいます。
赤系に振ってオレンジを使うと、思いっきりオレンジに引っ張られて、色そのものが黄色ではなくオレンジになってしまいます。イエロー(8番)からほーんの少しオレンジに振って黄橙色(58番)をシャドーに使っても、思いっきり黄橙色に引っ張られてしまいます。かと言って緑系に振った色をシャドーに使うともれなく苔が生えたような色になってしまいます。と言うか既に色が黄色じゃなく緑になってしまいます。なんて弱い色なんだ!


解決策として、黄色で濃淡を付けるには色相で変化を付けるのではなく、彩度で変化を付けるのがベストだと思いました。幸い無彩色である白との相性が抜群であるし。
一番濃い箇所(シャドーの場所)は黄色を完全に発色させ、ハイライトの箇所はちょこっとしか黄色を乗せずに塗っていけば、黄色を黄色としたまま濃淡を付ける事ができます。

そう言えば「金髪のフィギュア塗装は難しい」って良く聞きますが、その理由はやはりこの黄色の扱いが難しいからだと思います。

書いた日:2010年6月
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